奨学金が返済できない場合の対処法

奨学金が返せない弁護士

奨学金制度とは?

学業の希望を叶える為に設けられている奨学金制度は、経済的な理由で教育が受けられない人に対し、可能性を与えるものとなっています。

給付型は返済義務なし

給付型なら返済義務がありませんから、後のことを考えずに学業に専念したり、夢を叶える目的に集中できます。

貸与型は返済義務あり

ところが、貸与型だと返済義務が生じるので、学校を卒業しても返済に追われる毎日になるケースが少なくないです。

奨学金が返済できない場合

猶予制度

返したいのに収入が少なく返済できない、そういう時は早めに計画を立てて、現実的な方法で返せるようにすることが重要です。

例えば猶予制度の利用がその方法の1つで、申請を行なえば認められ次第、当初よりも余裕を持って返済できるようになります。

猶予期間は最長で10年ですから、数年以内に完済するのが難しい金額でも、10年の猶予があれば完済の道筋が見えてくるはずです。

当然ですが、申請しなければ猶予は受けられないので、まずは奨学金制度について情報を集めたり、救済措置を確認して打てる手段をチェックしましょう。

最長10年とはいえ、返済の猶予はいうなれば一時しのぎですから、完済に向けて収入を安定させたり、増やす方向で考える必要があります。

減額返還

返済できない場合のもう1つの手段としては、減額返還という選択肢を挙げることができます。

減額返還は被災や傷病、経済的な困難が生じた時に利用できる措置で、失業に遭った場合も利用可能となっています。

一定期間に限り、割賦金を2分の1か3分の1にまで減額するもので、減額返還適用の期間に応じて返還期間を延長することにより、返済が行いやすくなるのが特徴です。

あくまでも返還期間の延長で負担を軽減する仕組みですから、返還予定の総額が減額されるわけではないので注意が必要です。

しかし、一時的でも負担が減ると気持ちが楽ですし、不可能と思えた完済が実現できる希望が湧いてくるでしょう。

滞納者は願い出ることができない制限はあるものの、返済の約束を守りたいのに守れない、そんなもどかしさを感じている人に朗報です。

本人が事故などで亡くなってしまったり、何らかの障害で労働、返済能力が失われた場合は、返還免除で未返済額の全部か一部が免除されます。

これも申請が必要ですから、何もしなければ返済義務は残り続けますし、そもそも救済措置を知らないと負担が残ることになります。

いずれにしても、奨学金が無理なく継続的に返済できない時は、現状に甘んじたり後回しにするのではなく、今何ができるかを考えて対処の手を打ちましょう。

分からないことは情報を調べる、あるいは詳しい人に尋ねるなどして、現状における選択肢を確認するのがベストです。

奨学金の返済は借りて返すのは難しい

親や友人にお金を借りる、消費者金融で借金をするといった選択肢もありますが、これらは余計に返済の負担を重くするので考えものです。

奨学金の返済期間中は、消費者金融の審査が通りにくくなりますから、その意味でもあまり現実的ではないでしょう。

目先の返済だけを考えて行動すると、最悪の場合は破産しかねないので、生活の継続を第一に考えて救済措置を積極的に活用することをおすすめします。

奨学金返済による破産は深刻化していて、短期間の内に右肩上がりに増加中です。

その事実は奨学金制度の運営側も受け止めており、破産者の増加を食い止めたり減らす取り組みを行っています。

救済措置もいわゆるセーフティーネットですから、自力で返済できないことに気がついたら、速やかに活用して乗り切りたいところです。

最終手段として弁護士に相談

理由があって救済措置を頼れない場合は、リスクを覚悟で誰かにお金を借りるか、最終手段の任意整理や個人再生、そして自己破産を検討することになるでしょう。
返済の義務を逃れることができたとしても、お金が借りにくくなったり、生活を安定させなければいけない責任は残るので、良く考えてから決断することが大切です。

タイトルとURLをコピーしました