借金とは?
借金は、債務者となる人物の故意や過失によって背負うものが一般的です。
どういった目的でお金を借りるにしても、契約を締結してしまう以上は債務者と債権者の関係ができてしまうので、債務者の一方的な都合でこの契約を放棄することは許されません。
債務整理とは
しかし、法律的な観点から述べるとその限りではないともいえます。
これは、法律的な救済手段として債務整理という方法が準備されているからです。
債務整理は、その名前の通り借金である債務を法律的な手続きをとることによって解決する手段のことです。
確かに、借金は債務者の非によって生み出してしまうことが大半です。一方で、日常生活を脅かすほどに借金を返済し続けなくてはいけないとすると、憲法が保障する通常の生活水準を求める生活ができなくなってしまいます。
そこで、法律は債務者が手続きを利用することで借金を減額したり、すべてなかったことにできる救済手段を準備しました。これが、債務整理という非常に便利な手続きです。
債務整理の種類
債務整理は、話し合いで問題を解決できる任意整理と特定調停、裁判所の強制的な判決で借金を減額する個人再生と自己破産の4つに分かれています。
任意整理と特定調停
任意整理と特定調停の大きな違いは、裁判所を間に挟んだ話し合いが行われるかどうかです。
任意整理は、当人同士の同意のみで契約を更改することができますが、特定調停の場合は裁判所という司法機関を必ず間に挟むことになりますので、その効果は司法機関に依存することになります。
ですから、債務整理の中でも最も利用されている手段は任意整理になります。任意整理が便利なのは、当事者同士の話し合いだけで解決できるため、手軽に借金トラブルを解決できる可能性があることです。
しかも、弁護士に相談をしておけば弁護士が代理で手続きを行ってくれますので、本人は何もしなくても構いません。
実際に、過払い金などの簡易的な問題はほとんど全て任意整理で解決します。特定調停の場合は、本人が手続きをしなくてはいけないことも多く複雑ですが、裁判所から客観的で法律的な判断をしてもらえるという利点が存在します。
個人再生と自己破産
個人再生と自己破産は、上記2つの手続きよりもさらに強力な手段になっています。
債権者が有する債権を、法律の力を利用して強制的に奪い取ってしまうものです。文字通り、非常に債務者にとって有利な手続きになります。特に、自己破産に関しては債権が全て無くなりますので、実質的に債務者は借金を返済する必要が無くなります。
何よりも大きいメリットが、債務者側に大きなデメリット面がないことです。
確かに、個人再生や債務整理を利用することでクレジットカードを作れなくなったり、信用性に関わる仕事に就職することができなくなります。ただ、これは任意整理や特定調停でも同じです。
借金を強制的に減額した後は、債権者の方でそれまで通り借金の返済を求めることはできなくなりますので、確実に債務の負担は大きく軽減します。しかも、これらの手続きを利用した後に生じるデメリットは、ほとんどの場合で数年後に自動的に解除されます。
債務整理で弁護士に相談する理由
もちろん、これだけ強力な手段なので利用には条件が存在します。個人再生でも再生計画案のシミュレーションをする必要がありますし、自己破産の場合は免責事由が求められます。
これらの条件を乱すことが前提で、誰でも使えるわけではありません。それでも、弁護士に事前に相談をしておけばこれらに関する適切なアドバイスをしてくれるため安心です。
債務整理に強い弁護士は、一緒になってシミュレーションや借金の現状を考えてくれますので、審査に通る可能性が高くなります。ですから、借金で困ったときには弁護士に相談をして法律的な手続きで解決することが得策です。